そんな会話をしながら、階段を下りていると、ちょうど先輩とスレ違った。

「ねぇ、前から来るのって広輝先輩と勝弥先輩だよね、水帆」
「うん。あれは間違いない、目が合ったらどうしよう」
「いや、織香はむしろ目が合うように頑張る」
「じゃあ、水帆も頑張るよ」

距離がギリギリになるまで先輩の目を見ていた。すると、目がバッチリ合ったのだ。
「ヤバい、どうしよう。目合っちゃった、織香は?」
「うちも、目合っちゃった」「良かったね〜」
「うん。あっ、そういえばさ、広輝先輩のlineのIDもらえるかも」
「マジ!てかなんで」
「とりあえず、授業の後で話すよ」