それから、何事もなく過ごしていた。
廊下ですれ違うとニヤケてしまうくらい、本当に何にもなかった。


「織香〜、理科室に移動しよっ」
「うん、今行く」
「今日の理科って生物だよね」
「だった気がするよん」
「だよね。行こっ、織香」
「てかさ、何で2年が4階なの!?」
「いいじゃん!だって、下に降りるとき先輩が見えるんだよ」
「あっ、そっか。水帆って、頭いい」
「それたぶん、先輩の事に関してだけだと思う」