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 (うぉぉぉー…。)
 入学式を無事終え、樹里と浩輔と同じクラスになったのはいいものの…、
 (知らん人ばっか…。)
 不安がどんどん積もる。
 友達、できるかな?




 今日は早く帰れる日で、周りはみんな帰りの支度をしていた。
 千夏も、鞄に筆箱を入れ、椅子から立ち上がり、樹里と浩輔のところ行こうとした時だった。


 「ねぇねぇ!!」
 「えっ…?」
 キラキラした目の子から、話しかけられた。

 「ねぇ、春川さんって、神中のバレー部だよね?」

 神中…、神崎第一中学。千夏達の元の中学。

 「うっ…、うん、そうなんだけと…。」
 「だよね!うち、青井美空(みく)って言うんだ!西中バレー部の。」
 「あっ!レフトの?」
 「そう、それっ!」

 西中…、西中学は神中とバレーで、一位二位を争っていたところ。

 「そんなに頭いいわけでもないけど…、ここになったから仲良くしてねぇ!」
 「私で良ければ…。」
 




 「なつーっ、帰ろー…、って誰!?」
 千夏のところに来た樹里と浩輔。
 「いや、それこっちの台詞。」
 美空は樹里と浩輔を睨むように見た。
 「あっ…、こっちのいかつい顔してるのが浩輔で幼なじみ。」
 「いかつい!?」
 「こっちは、中学から一緒の樹里。」
 「千夏の彼氏。」
 「こうくんっ!?」
 「まぢ!?やるね~、千夏。」
 「よろしくー(苦)」


 一通り、紹介を終え、でわ…、っと帰ろうとすると…。


 「なになにー?一緒に帰るの?混ぜてよー!」
 美空がキラキラした目で行ってきた。
 「はぁ!?部外者はくんな。」
 「なんだとー!部外者じゃないしー!千夏ともう友達だもんねぇっ!」



 …友達…。
 


 「うん。」
 



 「よかったな。」
 樹里が優しい笑顔で言ってきた。
 「うん、そうだね!」



 




 「ちょっとー、二人の世界に入らない!」
 「うるせぇー!」




 結局、四人で帰りました。