放課後。
掃除を済ませ、ジャージから制服に着替えた込坂さんは替える支度をしていた。
掃除の際はジャージに着替えるのが、ここ洛南学園の校則なのだ。
まったくめんどうな校則だと込坂さんは思っている。
だったら制服いらないだろ、と。
まあでもしょうがないか、と結局便乗しているのがいつものことである、そりゃあ校則だし。
「おい、込坂」
「何?」
振り向くとそこにはクラスメイトの吉田智が鞄片手に立っていた。
吉田は2年3組の中でもランク(人気順位つけるとしたら)は上の方。女子の人気はそこそこ高かった。
が、
「先公に日誌渡しといてくれねぇか?」
ぼん、と頭に学級日誌が置かれる。バランスよく乗っている。
吉田は性格に難があった。
