記憶の欠片をたどって


「お母さん!なんで、なんでわたしの部屋に怜が入ってきてるの!?」

入れたとしたらただ一人お母さんしかあり得ない

「だって、リビングで待っててって言ったのよ。」

「それで!?」

「起こしに行きましょうか?って聞かれちゃったからお言葉に甘えちゃった。」

「わたし達一応思春期真っ只中なんだけど!?」

「そう。」

何事も無かったように洗い物をしている

もう頭が痛い

母親がマイペースというか、のんきすぎて

「まぁ、僕が起こさなかったら遅刻してたよ。」

悪気の無い笑顔を向ける怜の横でなに食わぬ顔でコーヒーを飲む柊が座っていた

「柊も何か言ってよ!なんで止めてくれなかったのよ!?」

「...俺まで遅刻になったら困る、だから止める必要が無かった。」

コーヒーを片手に淡々と言う姿に呆れた

起こしてもらったのはありがたいけど...

わたしだって、年頃の女の子なんだからさすがに幼なじみでも男子に寝起き姿を見られるなんて恥ずかしい...

「あと10分で支度しろよ?本気で遅れるから。」

「わかりました!」