勉強を初めてしばらくした。
もうそろそろ帰ろうかなって思ってた頃、図書室の扉があいた。
入って来たのは、あの新任の先生。
「君、勉強してるの?」
「はい。」
「そっか。真面目だな。」
「そうですか?」
「ああ。
あんな女子どもとは違うな。」
小声で言ったから聞こえなかった。
「……何か言いました?」
「いや、なんでもない。」
「そうですか。
あ、そういえば、先生のお名前って…。」
「神山 塑優史。」
「神山先生ですか。覚えておきます。
…では、私はこれで失礼します。」
「ちょっと待って。君の名前、聞いてない。」


