身代わりの彼女。





私はお肉をこねる。

お兄ちゃんはジッと私の腕を見続けている。

『お兄ちゃんっ!見られてたらやりにくいっ!!』

『ああ、ごめん。

それより、さっきの麻美とか言うやつの名字は?』

『えっと…、天宮だよ。』

『天宮かぁ、まためんどくさいな。』

『えっ…?』

『天宮って、あの天宮財閥の1人娘だろ?』

『そうなのっ?』

『まぁ、俺らの両親には負けるけどな。』

『そんなに有名なの?お父さんとお母さん。』

『有名も何も、世界中で支持されてるよ。』

『すごいね。』

私にはそれが他人事のように感じた。

『お兄ちゃんはお父さんとお母さんのこと知ってるの?』

『ああ、お父さんもお母さんも優しい子供思いな人だよ。』

『だったらなんで、私達を置いて外国に行ったの?』

『さぁな、有栖はハーフみたいだろ?』

『うん、よくハーフに間違えられる。』

『有栖はハーフみたいじゃなくて実はハーフなんだ。』

『えっ…?』

『もちろん俺もハーフ。』

そっか…、だからお兄ちゃんの目は青っぽいんだ。

それに髪はライトブラウンみたいに明るい。