身代わりの彼女。




私は言われるがまま、席に座った。

しばらく、沈黙が続いた。

でも、その沈黙を破ったのは麻美さんだった。

『ねぇ。』

私は麻美さんの声にビクッと方を震わせた。

『はっ…、はい。』

『あんたって、大樹の何なわけ?』

ああ、やっぱりそれか…。

『えっと…、彼女だと思います…、


……多分。』

『多分?ってか大樹の彼女は私よ?』

『へ?』

『嘘じゃないわ。』

『そうですか。』

『あんた、大樹のこと好きじゃなかったの?』

『好き…、かもしれません。』

『はっきりしなさいよ。』

『好きです…、多分。』

『はっきりしなさいってば!!

だから大樹に迷惑ばかりかけるのよっ!
中途半端な気持ちで彼女ヅラしないでっ!!

それに、大樹は別れたがってた。』

『え…?』

ーー大樹は別れたがってた。

その言葉が私の心に深く深く突き刺さる。

なんだ、君は私のこと好きじゃなかったんだ。

やっぱり代わりだったんだね。

『別れなさいよっ!!』

『嫌…です。』

パチンッ!

左頬に鋭い痛みが走った。

『別れなさいよっ!!迷惑なのよっ!』

『嫌…です!絶対に!!』

私は左頬を押さえながら麻美さんを睨んだ。

周りには人だかりが出来ていた。

『ちっ。ちょっと来なさいよ。』

麻美さんはまた私の腕を乱暴に掴んでカフェを出た。