身代わりの彼女。



『ん。』

俺は右手に持っていた水を差し出した。

すると叶はすぐに受け取って薬を口に含み水を飲んでいた。

コクコクッと音まで聞こえてきた。

そしてまた眠くなったのかコックリコックリしだした。

『叶…、俺は麻美じゃなくお前自身が好きなんだ…。』

当然、もう半分夢の世界に飛んでいるであろう叶は返事などしない。

さっきまで虚ろではあるが開いていた目も完全に閉じてしまった。

そしてスースーと寝息まで立て始めた。

俺はゆっくりと立ち上がり、コップをあらいにいった。