身代わりの彼女。




『ねぇ、お母さん。私、日本に帰りたい。』

『どうしてそんなこと言うの?可愛い妹だって居るのに。』

『だってエレンが帰れって言うんだもん。』

『まさか、そんなこと言うわけないでしょ?ねぇ、エレン。』

『全く被害妄想が強過ぎるんじゃない?有栖お、ね、え、ちゃ、ん。』

ねぇ、意味分かんないよ。

どうして、私の言うことは聞かないのに、エレンの言うことは聞くの?

ねぇ、何で私達はほったらかしにしたくせにエレンだけは大切に育ててるの?

ねぇ、何で私だけ他人行儀なの?

ねぇ、ここに私の居場所は無いの?

ねぇ、ここに私を理解してくれる人は居るの?

私は堪らず家を飛び出した。

外は大雨だった。

嫌だよ…、もう帰りたい。

ねぇ、どうして私を産んだの?

私なんか産まなければ良かったのに。

ねぇ、どうして…?

もう…、辛いよ。

私は誰も通らない道にしゃがみ込み、泣いた。

子供のように大声を上げながら。

しばらくするとだんだん眠くなってきた。

そして、誰かの声が聞こえた瞬間、私の意識は途切れた。