身代わりの彼女。




『あんたさえ居なければ…。』

麻美さんは包丁を両手でしっかりと握って、こちらに近づいてくる。

怖くないって言ったら嘘になるけど、大丈夫。

『麻美さん。』

『何よ。』

『私を殺して何になりますか?』

『大樹を手に入れる。』

『もし嫌われたら?とか考えないんですか?』

『うるさいわねっ!!私達は婚約してるのっ!』

『大樹も、大樹の家族も納得してる?』

『あっ…、当たり前じゃない。』

『違うよ…。』

『え?』

『大樹も大樹の家族も納得してないっ!嘘つかないでっ!』

『うるさい!!黙れっ!』

麻美さんは私めがけて包丁を振り下ろす…。