身代わりの彼女。




『何が違うのっ!?私は麻美さん本人の口から聞いたんだもんっ!間違ってるはずないっ!!』

『違う…、俺は麻美とは付き合ってねぇ!頼む…信じてくれっ!!』

有海くんは切なそうな目をこちらに向けてそう叫んだ。

『だっ…て、私と喧嘩した後…誰かと笑いながら電話してたじゃん!!それが麻美さんだったんでしょ?』

もう、嘘は付かなくていいよ…。

『あれは…、俺の1人演技だ。』

『1人…演技?』

『ああ、少しでも叶に妬いてほしくて…。』

『っ!馬鹿っ!これでも…、妬いてるんだよ?

有海くん、いっつも女の子とイチャイチャしてるんだもん…。』

『それは…、悪い。
でも、俺も叶に妬いている。』

有海くんが…、私に妬いてる?

『叶…、めちゃくちゃモテてるから…。』

『有海くん…、多分それなんかの間違いだよ。
だって私モテてないもん。』

今まで有海くん以外に告白されたことないし。

『全く…、無自覚か…。』

『違うもんっ!無自覚じゃないもんっ!!』

『じゃあ鈍感か。』

『なっ!もぉっ!知らないっ!』

『冗談だって、俺らのクラスのほとんどが叶のこと好きって言ってるぜ?』

『……だって今まで有海くん以外に告白されたことないもん。』

『まぁ、それは俺がずっと言ってたから。』

『なっ…何を?』

『んー、秘密?ってかそれよりさぁ、有海くんってやめねぇ?』

『えっ?じゃあ何て呼べば…。』

『大樹でいいよ。』

『あっ…、うん…。

ってええっ!?いきなりっ!?』

『ん、俺は叶のこと有栖って呼ぶから。』

『うっ…うん、分かった。』

『じゃあな。』

『ん、また明日。』

いきなり名前か…、間違えないように頑張ろう。