1番少年と平均少女


「知ってるよ、1番少年の事くらい」

「1番少年?」

「だって、なんでも1番でしょ?
勉強も、身長も、運動も、人気も。


・・・平均少女のあたしから見たら、うらやましい限りだよ」


えへへ、と、あたしは曖昧に笑って見せた。


「千鶴ちゃんは平均少女じゃない」

「えっ」


なんで

あたしはいつも平均で

誰にも見てもらえなくて

そんな不憫な自分で、割りきって生きて行こうって


だけど



「千鶴ちゃんは、いつも誰かの1番だよ。

勉強も、身長も、平均かもしれないけど」