「はい、どうぞ」

そういって、あたしは最後の辞書を手渡した。

上からは、これで最後?という、結城君の声が聞こえてる。

辞書の棚は高い所にあるから、結城君に手伝ってもらっていた。

辞書をしまう結城君。

見上げると、やっぱり背が高い。

横顔は、すごく端正で、どんな女子でもすぐ落ちちゃうんだろうな、きっと。

そんなことを思いながら、ぼーっと見上げていると、



「何々?俺のこと見つめちゃって、惚れちゃった?」




結城君の顔があたしの顔の
すぐ近くまで寄せられていた。



「あわわわわわっ///」



あたしはパッと飛び退く。