もう弟なんてやめてやる。

陸、嘘だよね!?


『雫、好きだよ』



雫が息を切らしながら
廊下を走ってキョロキョロと陸を探す。

だけど、────陸が居ない。



「…どこ?陸どこに居るの?」

「誰を探してるの?濱中さん」



後ろから聞こえた声に
雫がピクッと反応。

ゆっくりと振り向いた。



「…誰?」

「あたしは初めましてじゃないんだけど…。もう、噂は聞いたんでしょ?」



もしかして…明石、さん…?


雫の目が見開く。

この人が、



陸の彼女───…