もう弟なんてやめてやる。

1人の女子の声に
ザワザワと教室内が騒ぐ。

あたしはその場で固まった。



『え、あの濱中くんが!?』

『今までたくさん泣いた子が居るのに、何で明石さん?』

『やだー…』



今、なんて…言ったの…?



“B組の濱中くんと明石さん、

付き合ってるんだって”



ガタッと雫がふらつきながら
足を動かした。


「雫!?」

穂乃華が慌てて支える。



「…雫、知ってたの?」

「…知…らない。だって、あれから陸と会ってないもん。何も…何も知らない」



どういうこと?

陸は、


あたしを好きだと言ったのに…



「え、雫!?」


咄嗟に身体が動いた。


雫が教室を飛び出して、
穂乃華が慌てて追いかける。