もう弟なんてやめてやる。

雫が毎日学校に来ては
弟くんを探してる姿が

痛々しくて。



「っ」


言葉が詰まる。


姉弟がお互いを必要とするのは
よくある話なのかもしれない。

でもこの双子は、



─────どこか違う。


姉弟としてじゃなくて、


“人”として求め合ってる…


恐らく雫が気づいてないだけで、
無意識に弟くんを求めてるんじゃないか…


そう思った。



「…雫、行こ?」

「うん……」



どこか残念そうな雫を連れて
あたしは教室へと歩き出す。


隣でしゅん…とする雫を
横目で見ながら、

あたしはこの時
自分と葛藤していた。