もう弟なんてやめてやる。

「陸…?」

「…何?どうしたの、突然」



廊下を歩いていた雫が
ピタッと足を止めて後ろを振り向いた。

それを見て、
穂乃華が首を傾げる。



「……今、陸が…」


あたしを呼んだ気がした。

…気のせい?



あれから陸と会ってなくて、

休み時間の度に
陸を探し回ってるのに

陸の姿が見当たらない。


幸くんから学校には来てるって
聞いたけど…



「気のせいだったみたい」


へへっ、と笑う雫に
穂乃華の唇がきゅっと力が入る。


2人の為だと、
あたしと飯田くんで決めたのに

自分たちがしていることは
正しいのか間違っているのか、


解らなくなる。