もう弟なんてやめてやる。

明石にキスした瞬間、
ギュッと力いっぱい瞼を閉じる。

すると、また俺の瞼の裏で雫が見えた。


今度は…

自分から遠ざかってく
雫の…姿が。



………もう、


『陸』



昔のように戻れない。



「陸くん、好き…」



操り人形のような陸を
抱きしめて、


クスッと百合が笑った。