「陸くん、濱中さんが…お姉さんが…大切なんでしょ？」

「…！」

「あたし、バラすから！陸くんとあたしの今までのこと」

「！？」



陸くんが手に入るなら
あたしは何でもする。

そう思った瞬間、
自分の中で張り詰めていた糸が切れた。


嫌われても、
どんなに卑怯でも、

陸くんと居れるならそれでいい。



「…お姉さん、どんな反応するかな？」

「お前……っ。雫には近づくなって前から言ってただろ」

「だったらあたしと付き合ってよ！！」



ずっと陸くんが好きだったの。

こんなにも好きで、
こんなにも尽くしたのに…


いつもいつも“雫”“雫”って、
何かある度にあの人を優先する。

それでもいつかは、

あたしをきちんと
見てくれる日がくるかもしれない…

そうやって、
僅かな可能性にかけてきた。


なのに…、

あたしのこと1度もまともに
見てくれなかった。