もう弟なんてやめてやる。

「俺は…、雫を傷つけた。…あんな顔、させたくなかったのに…」



肩を震わせながら
何かに耐えるように話す陸が

あまりにも可哀想で…


飯田がグッと唇を噛み締めた。


だけど…


「…いずれこうなるのは、お前も分かってたんだろ?いつかは限界がくるって」

「…………」

「ずっと1人で抱え込みやがって…、バレバレなんだよ。小さい時からお前が雫しか見てないこと」



俺は、ずっと双子を側で見てきた。

陸がどれだけ雫が好きで
どれだけ大切に想ってたか、

俺は知ってる。


なのにずっと1人で抱え込んで
苦しんでるお前に

俺は、いつも何もしてやれなかった…

でも、



「…話聞くぐらい出来たのに」

「…お前、よく俺の気持ち知って受け入れられたな。…引いただろ?」

「ばーか。俺はお前の幼なじみだろ」