もう弟なんてやめてやる。

「おー!陸、おっすー。つか、お前来るの早くね?」

「………」

「俺は日直だから早めに来たけど、陸は何で……」



廊下で突っ立ったまま
微動だにしない陸に、

飯田の表情が次第に曇ってく。


陸の周りだけ空気が冷たいような、
そんな違和感があった。



「…お前、何でそんな生気ないの?」



陸から生気が感じられなくて。

陸の瞳は一点を見つめたまま
心ここにあらず…、って感じで。


飯田の表情が完全に曇った。

と、同時に何かに気づく。



「陸……、雫は?」



陸が、いずれこうなることは



────────予想してた。