もう弟なんてやめてやる。

ガチャッ…

風呂上がりの陸が
リビングへ移動。


中に入るとテレビに夢中の雫が
視界に入って。

横目でそれを見ながら、

キッチンの冷蔵庫から
コーラを取り出した。



「雫、母さん達は?」

「もうすぐ帰ってくるよ?」



俺たちの両親は共働きで、
普段から雫と2人きりが多い。

俺にとってはそれが
たまに苦痛だ。



「ふーん。今日は珍しく2人とも残業してたんか…」

「あ、あたしもコーラ頂戴!」

「…ちょっと待って」


食器棚を開けて
雫のお気に入りのコップを取り出す。


「………」


俺の飲みかけなのに
抵抗ないのかよ…