バンッと洗面所の扉を
勢いよく閉めて。

そのままもたれ掛かった。


全身がドクンドクンと脈打つ。



「…くっそ」


危なかった…

毎日毎日
無防備な、姉。


……好きって言えばいいじゃん。


俺の中で悪魔が囁く。


いつか、

雫は俺じゃない誰かのものに
なってしまうのか…

俺じゃない誰かのとこへ
行ってしまうのか…



っ、嫌だ。

俺じゃないと嫌だ…っ!


そう思うのに叶わない
この現実が辛くて…


「もういっそのこと、誰か俺を殺してくれ」


じゃないと……

いつか、
いつか、

俺は自分の感情を抑えられなくなる。