もう弟なんてやめてやる。

「…本当に、雫ちゃんには優しい弟だねぇ？」


ホッとしたのも束の間、
後ろから聞こえたアイツの声。

町田がポンっと
陸の肩に手を置いた。


陸の顔が一気に殺気立つ。



「…手、離してくんない？今、あんたと関わりたくないんだよ」

「これから関わることになるかもしれないのに？」

「…は？」



陸の顔が歪む。
冷めた目で睨むように町田を見た。


何言ってんの、コイツ。



「俺さ、まだ雫ちゃんが好きなんだよね」

「……諦め悪いな、お前」

「はは、お前が別れさせといて？無理がある話、って分かるだろ」

「…………」

「そう言うことで、これからまた宜しく」