雫が手を合わせたまま、
目を瞑った。

陸を生んで出会わせてくれて
ありがとう…


雫が心の中でいつもの挨拶。



「ママー、なんで手をあわせてるの?」

「ここはね、パパのママとパパが居るんだよ?」

「パパのママとパパ??」

「光と夢の、お爺ちゃんとお婆ちゃんが居るの」



その言葉に、
双子が真似で手を合わせた。

陸がそれを見て
ふっ、と笑うと

双子の頭を撫でる。


「…陸、この子たちに会わせたかったね」


陸の本当の両親にも
会いたかった……


「うん…そうだね。でも見てるよ。きっと、空で見てる」



陸が双子の手を引いて、
雫に笑いかけた。