「え?」

「…お前たちこそ、まず父さん達に話さないといけないことがあるんじゃないか?」

「!」




このピリピリした空気に
陸が拳を握る。

ぎゅっと目を瞑った。


もう、バレてた…



「…俺は、」


声が震える。

それでも、
言わなくちゃいけない。


「俺は、雫が好きだ。姉としてじゃなくて、女として」


まっすぐと父親の目を見る。

その目に父親が、
ギリッと奥噛み。


その瞬間、
父親が拳を振り下ろした。



「っつ、!?」

「きゃぁ、陸!」

「お父さん!?」



陸の身体がよろけて
キッと父親を睨む。

雫が陸の元へ駆け寄った。