もう弟なんてやめてやる。

「あれ、母さーん?」

「おかえりなさい」

「なんだ、そこに居たのか」

「………」

「どうした?追いつめた顔をして」



ドクンドクンと
脈が速くなる。

言うべきか、
言わないべきか。



「…母さん?具合でも悪いのか?」


顔を覗き込む夫に

きゅっと唇を噛んで
顔を上げた。



「……お父さん。あの子たちのことなんだけど…」

「………」



やっぱり言うべき…よね。

母親の重い口が開く。


出てきた言葉に
父親の表情が堅くなった。



「…あの子たち、親密過ぎだと思わない?」

「………」