もう弟なんてやめてやる。

真っ直ぐな目で雫が俺を見る。

心が打たれて、

陸が下を向いた。

何かを決意して、
口を開く。



「…雫、話したいことがあるんだ」



高3のあの日。


『“姉弟”じゃないかもしれないって、期待すんな』



飯田にそう言われて、

ずっと雫に言えなかった
僅かな可能性を、


話すなら今だと思った。




「…俺たちが、本当に“姉弟”なのか調べたい」