「…それだけ?」

「そ、それだけって?//」

「………」



そんな目で見ないで//

雫があたふたと慌てると
あることを思い出した。



「そ、それよりお母さんから預かったものがあるの」

「え、何」

「おかずだよー。ちゃんと食べてるか心配だからって。はいっ」



お母さんから預かった
タッパーを陸に渡す。

すると陸が困ったように笑った。



「…母さんて、心配性だよね」

「そりゃ………」



“家族だから”

そう言いかけて
雫が口を押さえた。


シ…ンと部屋の中が
静まり返る。