「雫には話したのか?」

「…話した。泣いてたけど、ちゃんと解ってくれた…と思う」

「…そっか。怪しまれないようにするためにも、それがいい」



親に怪しまれないために…か。


自分の子どもが近親相姦してる
なんて知ったら、

ショックだろうな…


陸の心がズキッと痛んで、
罪悪感が膨れる。

それでも、

雫は誰にも譲りたくない…


そんな複雑な感情を抱いたまま
俺は飯田と他愛ない話をしていた。


これから先、


偶然見つけたあの写真が
俺たちを振り回すことになるとは

知らずに…