「俺、家に居ると雫を守れない」

「………」

「毎日、父さんと母さんが居て、ダメだって解ってるのに…雫に触れたくなる」

「…そんな、の…今までみたいに夜中に…」



隠れて触れ合えばいい、
そう言おうとした瞬間…

陸が辛そうに、
困ったような顔で笑った。



「…いつ、バレるか分からないんだよ?」

「っ、」

「父さん達にバレたら、きっと俺たちは一緒に居られない。“家族”が…崩壊する」



陸の言葉に

雫がカシャンとフォークを
お皿の上に落とした。



「…だから、解って?」

「…っ」