俺の真剣さが伝わったのか
父さんも箸を置いて。
母さんはポカンと口を
開けたまま固まった。
「…俺、独り立ちしたい。家を出たからって何が変わるんだって話だけど、いつまでも甘えたままで居たくない。それに、一人暮らしって夢だったんだ」
「……そうか」
「場所は大学の近くにするつもり。ワガママ言ってごめん…。あと雫には、まだ話さないで」
「……ああ…分かった」
「ありがとう」
父親の返事を聞いて
陸がガタッと立ち上がった。
「俺もごちそうさま」
「おかわりはいいの?」
「うん。雫が勉強するなら、俺が居ないとダメでしょ?」
そう言って陸も
ダイニングから出て。
雫の元へ向かった。

