「これね、ルビーなんだよ」

「ルビー?」

「うん、誕生石の1つなんだけど意味があるの」

「…?」

「ルビーには“情熱”と“仁愛”って意味があるんだって」

「………」

「情熱は“ある物事に向かって気持ちが燃え立つこと”、仁愛は“深い想いで人を思いやること”」



そう言って、

雫は陸の方へクルッと
向き合った。


「だからルビーには、“深い愛情で人を想いやる”って意味が込められてるんだよ。それで、このルビーはあたし達の7月の誕生石なの」

「…っ」

「運命だと思わない?あの遊園地で…、きっともう、あの時には決まってたんだよ」


そして、


“あたし達がこうなること、運命だったんだね”


雫が笑った。