もう弟なんてやめてやる。

「何で、それをお前が持ってんだよ。返せ!」

「…やっぱり陸くんがあげたんだ。何か腹が立ってちぎったら、雫ちゃん泣いちゃった」

「…っ、」



淡々と話すコイツが
今までで1番殺意が沸いた。

全身の血が
沸騰するかのように騒ぎ出す。


コイツは俺が、


─────早めに片付けるべきだった。


陸の拳が町田の頬に目掛けて
振り下ろそうとした瞬間、


「やめて!」


女の声がして。

陸の動きがピタッと停止。

ゆっくりと声がした方へ
振り向いた。



「………明石?」

「やめて、陸くん!」

「何で、お前が止めるんだよ」

「っ、」