もう弟なんてやめてやる。

それは突然やってきた。

夏休みに入る前日の放課後、

陸はいつものように
雫のお迎え。


「………」


すると教室前に、

───────町田の姿。

陸の眉がピクッと動く。
また来てんのか、と。


「ああ、陸くん来たみたいだから帰るね」



陸の姿に町田が
雫に挨拶。

その後、

陸を見てフッと笑うと
そのまま去って行った。



「?…雫、アイツと何話してたの?」

「…………」



下を向いて何も言わない雫に
…違和感。

嫌な予感がした。