「ね、穂乃華ちゃん」

「ん?」

「男の人って、その……たくなるのかな?」

「え、何?聞こえないわよ」

「だから、その…キスとか…したくなるのかな?」



夏休み目前の放課後、
雫と穂乃華がカフェに寄り道。


そんな中、雫の発言に

穂乃華が飲みかけの紅茶を
ブフォッと吹いた。



「あー…、穂乃華ちゃん汚いよ」


やだ、この子ったら…

テスト期間中に
思考回路がおかしくなったのかしら…



「…したいって言われたの?」

「違う…けど、」

「けど?」

「陸があまり触れてくれないの…」



しゅんっ…と下を向く雫に
穂乃華がニヤリ。


陰で女子を喰い荒らしてた弟くんも
雫相手には

さすがに簡単には
手を出せないのか…、と。