勝手に好きになって、
勝手に逃げて、

雫を傷つけたくせに、

また雫を追いかけてる…


「っ」


俺はどれだけ
雫を振り回してんだよ…


自分から言ったくせに
これのどこが“ちゃんとした弟”だ。


「…………」


自宅へ向かって
陸の足がゆっくりと動いた。



……雫、早く帰ってきて。