開いた窓からフワリと風が入り込んで。
太陽の光で
床に2つの影を映し出した。
授業中。
静かな空き教室で
甘ったるい声で甘える女。
廊下には誰も、居ない。
「陸くん、キスして…?」
「…今日はしない」
冷たい目で
その女を見つめる
───────…陸。
すると、
女が陸に顔を近づけた。
キスをされそうになって
女の口を手で塞ぐ。
名前を呼んでほしいのは、
キスしたいのは、
お前じゃない。
コイツが、
雫ならどんなにいいか。
雫ならどんな風に
俺に甘えてくるのか。
「っ、」
毎回そう考えただけで
胸が痛む。