もう弟なんてやめてやる。

それよりも、


“有り得ないだろ”

“どうかしてる”



陸の言葉が
自分にも置き換えられることに

衝撃を受けて。


陸にそう言われてるみたいで
あたしの目から涙が溢れた。


「…っ、…」



あたしも、

陸が好きなんだよ。


なのに、

声が

言葉が出ない。


「っ」


伝えたいことは
たくさんあるのに…

ただ涙が溢れるだけで
陸の表情も解らなくなる。



「…俺、雫のこと傷つけてばかりだね」


違う…


「………っ」


違うの…


「ごめんね…、今まで俺が言ったこと、全部忘れて」



そう言って陸は
持ってきた鞄に服を詰めていく。