もう弟なんてやめてやる。

ただもう限界で。
雫が好き過ぎて。

一度開けてしまった心の蓋は
もう閉まらない。


俺はこれ以上雫と居ると、
絶対に触れてしまう。

姉弟の、一線を越えてしまう…


「っ」


きっと今以上に傷つけて
またあんな顔をさせてしまうから…

だから俺は
雫の側に居られないんだよ…


今なら、


“姉弟”には戻れなくても、

“家族”には戻れるんだ。


陸の指が雫の頬で動いて
軽く撫でると、

陸が立ち上がった。


これが最後だから───、

もう1度だけ言わせて…



「雫…、好きだよ」


そう言って眠ってる雫の額に
キスをした。