もう弟なんてやめてやる。

眠ってる雫の顔を見て、
ホッと胸を撫で下ろす。

と、同時に
陸の目に涙が滲んだ。



「……ごめん、ごめんな。雫…」



俺が雫を好きにならなければ、

好きだと言わなければ、


雫はこんなことにならなかった。


苦しむのは、



─────俺だけで良かったのに。


俺がこんなになるまで
雫を追い詰めたんだ。


陸の震える手がそっと伸びて
雫の頬に触れた。


「ごめん…、雫…ごめん」


もう何度謝ったのか分からない…


でも俺はただ謝ることしか
出来なくて。

もうどうすればいいのか
俺にも解らないんだ…