もう弟なんてやめてやる。

「雫っ!」

「ちょっと、しーっ!」

「…芹沢?」



保健室に入ると
ベッドの側に芹沢が座っていて。

俺の視界に入る
ベッドで眠っている雫。



「……雫、は?」

「ただの寝不足と…、恐らく心労よ」

「心労…?」

「ちょっと来て」



芹沢は静かに椅子から
立ち上がると、

俺を呼びつけて廊下に出た。


雰囲気で分かる。

芹沢は、





────怒ってる。



「1発殴らせて」

「え…、っつ…」



芹沢の声がした途端、
左頬に衝撃を受けた。

パンッ…と廊下に音が響く。