「…で、ここでこの公式使うんだよ」

「うーん?何で公式?」

「………」

「あ"ー、見捨てないで!そんな目で見ないで」

「…本当、雫バカなのな」



つか俺が、

雫を見捨てる訳ないのに。


必死に教科書と睨めっこして
何度も消しゴムで消して

そのたびに悔しいから
涙目になる。


そんな雫が


愛しくて仕方ないのに……



「出来た!!」

「っ」


雫の横顔を見つめてると

突然パァ…と明るい顔で
俺を見る雫にドキッとする。


落ち着け、俺。

平常心、
平常心─…