数ヶ月後高齢出産ながら産まれた子供には秋さんと同じように口元に黒子があったという

後日談
兄は秋さんからのカメラで外の景色を集めているらしい
夢はプロカメラマンでいつか世界に出ると雑誌の記事に小さく載っていた
妹は髪飾りをお守りにプロデザイナーに向け学校に通っていると聞いた

そして警察署には娘をありがとうごさいましたと微笑む父親の姿が
その胸には秋さんがくれたネクタイが揺れていた
娘の為にも家族の為にも少し一歩ずつ前に時計の針を進めていきたいです
家族旅行の為に仕事を再開しようと思います
もちろん旅行は秋も一緒に

署を去り際に聞いた父のありがとうの言葉がしばらく耳から離れなかった