「たいしたことじゃないんだけど、冬真に彼女がいたんだ。
二年くらい続いてたかな。
その彼女が、冬真より俺のことが好きになっちゃったらしくて。
でも、俺は冬真がその子のことどんだけ好きかわかってたからキッパリ断った。
そしたらその子、自分で手首切っちゃって、結構深く。
勿論冬真は、なんでこんなことしたのって聞くよね。
答えはやっぱり、俺にフラれたから。
そのあと冬真と二人きりで話をしたんだけど、冬真が言ったことは
"なんでフったんだ"
"死んでたらどうしたんだ"
俺の気持ちは無視かってなって、ちょっと怒っちゃったんだ。
"お前があの子のこと大好きだって知ってて付き合えっていうのか!?"
って言っちゃって
そしたら冬真は何も言わなくなった。
下向いたままだった。
それからしばらく口を聞いていなかった。」

