「陽南ちゃんは、センス、あると思う。」
ささやくように、風香先輩は言う。
「走る…センスってあるんですか??」
思わず聞くと、
「あるかはわかんないけど…
陽南ちゃんは、風が似合うんだよ」
か…ぜ…?
「風と一緒に走ってるって感じがする。
すごく、かっこいいよ。」
そういって、少し微笑む、風香先輩。
「応援、してくれるみんなもいるんだよ。
…1人じゃ、ない。大丈夫!!」
そういうと、髪の毛をわしゃわしゃーってして、
「頑張ろうね!!」
そういう。
「は、はい!!!!」
先輩の目を見て、私はにっこりほほ笑んだ。