バスに乗って、競技場まで来た。
「うわぁー…」
思わず声が漏れる。
競技場独特のにおい。
赤いゴムの地面。
あふれかえる、人人人。
今日の競技会名を表示する、掲示板。
大会なんだ、ということを改めて実感する。
「吉岡、競技場初めて?」
陸哉先輩が聞いてくる。
「はいっ。緊張しますね~」
「俺も初めてだー…」
いつのまにか隣に立っていた、空羅くんも、
競技場をきょろきょろ見回している。
「でっかいねぇー…」
「あぁ…」