●智久
さっきまで楽しそうにしゃべってたのに、急に静かになる絢乃ちゃん。
なんか考え込んでる感じ。
「絢乃ちゃん?」
俺が声をかけると、はっと我に返ったのかぱっと俺の方を向く。
「あ・・・ごめん・・・」
ちょっと焦った感じが可愛い。
「家、着いたよ?」
絢乃ちゃんと歩くと駅からの道も短い。
もっと一緒にいたいけど、もう遅いしな。
「あ、ホントだ。」
絢乃ちゃんの手を離し、ゆっくり頭を撫でる。
「じゃ、またね。」
俺がそう言うと、いつもなら素直に頷くのに・・・
「・・・・・・・」
何か言いたそうに俺を見上げる絢乃ちゃん。
「絢乃ちゃん?」
首をかしげると
俺の袖をギュッとにぎり小さな声で
「あのっ・・・・上がってって・・・」
真っ赤になった絢乃ちゃんが言った。
フリーズする俺。
今日2回目でしょ。その反則・・・・
すげードキドキしてんだけど俺
ダメだ。
上がりたいよ。めちゃくちゃ上がりたいけど・・・
土曜だし、俺的にはなにも気にすることはないんだけど・・・
上がって、何もなしで帰ることなんて俺無理だよ。
付き合っても無いのにそんな事絶対したくない。
キスだって、絢乃ちゃんは今日が初めてだったんじゃないの?
キスはもうしちゃったけど、ちゃんと告白して、順番守って、絢乃ちゃん大事にしたいんだ。

