「いつも智くんが先にだしちゃうから・・・」
俺は絢乃ちゃんが握る千円札を押し返す。
「いーって、いつも言ってんじゃん。こういうのは男が出すもんなの。」
「でもっ・・」
やっぱ変だ。
いつもの絢乃ちゃんならここで引くのに・・
「やっぱダメだよ。智くん高校生なのに・・・」
なんかこの言葉にカチンときた。
「んなの関係あんのかよ・・・」
俺は小さく呟く。
一個しか違わないじゃん。
ただ、俺が高校生で絢乃ちゃんが大学生で・・・
そんなのいくら頑張ったって縮まんないし。
俺は絢乃ちゃんの横を通り、さっとレジへ行き、会計を済ます。
カウンターに絢乃ちゃんを置いたまま店を出た。
「はぁ・・・」
少しして、店を出てきた絢乃ちゃんは・・・
不安そうな、泣きそうな顔をしてた。
その顔を見て、自分の行動を後悔する。
「ご、ごめんなさい・・・」
俺の側により、小さく謝る。
こう言うところがガキなんだよな。
絢乃ちゃんに高校生って言われたって仕方ないのかも。
前までは、俺の前で仁さんの話されてもちょっとムカついたぐらいで、絢乃ちゃんの笑顔みたらすぐ機嫌は直ってた。
でも、どんどん無理になっていくんだ。
もっと俺のこと考えてよって。
もっと俺のこと見てよって。
他の男のこと考えんなよって・・・
「頼みたいことって・・・何?」
俺が小さく言うと
「えっ・・・あの・・・・」
言葉につまる絢乃ちゃん。
「えっと・・・・・・・・」
なんか隠してる。明らかに動揺してる。
少し考えたような絢乃ちゃんは
「大丈夫、別の日に仁君に頼むから・・・・」
「何それ・・・・」
「え・・?」
「俺、そんなに頼りになんない?」
「え・・違うよ・・」

